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結婚式じゃない方の【2/3】

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<真南の場合>

住んでるところの田舎度を示す基準の一つに、幼稚園から高校まで一緒の人がいるかどうか、があるかもしれません。私の場合はいましたね、何人か。幼馴染って呼べる人が結構いました。真北もそのうちの一人ですね。彼とは小学校、中学校が一緒でした。お互いの家のも近くて、小学校の頃は結構一緒に遊んだりしてたんです。私こう見えて子供の頃はかなりの虫好きで、一緒に虫取りとかしてたんですよ。今はもう虫は全然ダメですけどね。もちろん中学校になってからはちょっと複雑な感じになってました。結構仲良かったので付き合っちゃえよーとかしょっちゅうつつかれてました。彼もきっとつつかれてたと思います。そしたらやっぱり意識はしちゃいますよね。私も、もしかして真北のこと好きなんじゃないの?って勘繰らされましたよ。その辺りからちょっと関係性が歪になったのかもしれません。

彼と最後に会ったのは成人式のあとの同窓会でした。その時に、久しぶりーという感じで、中学校卒業してから初めて会って話しました。彼は昆虫ではないにしても植物学を志したようで、博物館の学芸員を目指しているようでした。真北って名前はTrue North、羅針盤の基準になる北極星から来てる。決めた方向に真っ直ぐ進むってのは実に彼らしいです。一方で私は心理学部。心理学の本を読んで面白いと思ったのがきっかけですが、専門にしてみると思っていたものと違うところも結構あって。心理学って結構闇が深いんですよね。心理を説明する色々な理論があって、自分の心理を悪い方に説明できてしまうことも多いんです。だからだんだん自分がわからなくなってくる。メンタルがGoing South。真北の真っ直ぐさを妬ましいと思う部分はありましたね正直。もしかしたらそんな彼を崩したかったのかもしれません。それが理由かはわかりません、というか理由があったのかどうかもわかりませんが、帰りのタクシーの中で彼に不意打ちでキスをしちゃったんです。ほっぺに軽くね。彼はめっちゃ驚いてました。私もその直後は何も考えられませんでした。でもだんだん自分が今何をやらかしたか、その重みが分かってきて、彼のことを見ていられなくなってしまいました。

先に目を逸らしたのは私の方でした。それ以降、彼とは会ったり話したりしていませんが、きっと私の知らないところで夢に向かって真っ直ぐ進んでいるんじゃないかと思います。いつまでも可能性をぶら下げておいてもあれですし、結果的にこれで良かったんじゃないかと思ってます。ね。

 

<続く>

 

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