違うブログ

どこかの誰かが書いたやつとは違うブログのこと

就活と個人情報

<2019年4月28日公開>

所属する大学から就職活動に関する注意喚起のメールが来ていました。今回はそれについて書いていきます。

少し前に、某企業のリクルーターが就活生に淫らな行為を行ったというニュースがありました。その件に関してはニュースで報道され問題が明るみに出ましたが、そうならない事例もあるかもしれません。企業側から「これについて口外した場合は就活を不利に進める」という風に圧力をかけることも理論上は可能ですから。

就活生は企業に対し弱い立場ということは間違いないでしょう。それを逆手にとって関係を強要するのは実に稚拙で卑劣な行為と言わざるを得ません。

この記事を書くきっかけになった大学からの注意喚起メールには、個人情報を渡すことの危険性について記述がありました。むやみに就活サイトに個人情報を登録したりせず、個人情報を渡す先が信頼できるものであるか確認をすること。そして、リクルーター等に履歴書やエントリーシート等の添削を依頼する場合には、個人情報の部分を隠すなどの選択肢があるということを、学生に対して周知していました。

今更ながら僕はこれを読んで危機感を募らせています。思えば様々な就活サイトや企業に個人情報を無償提供してきました。住所・年齢・所属などの細かな個人情報を、成人男性が数多く存在する組織に渡す、という図式として就活を改めて捉えると、就活の大変リスキーな側面が露わになります。一人暮らししている就職活動中の女子学生の場合を考えれば、この話の深刻さは容易に想像できるのではないかと思います。

個人情報を開示せずに採用活動をすることは可能なのでしょうか。企業も採用活動に資金を投じている以上、少なくとも相手にしている就活生が実在する人物である確認をしなくてはならないのは確かです。そのためにはやはり身分証の提示が確実かつほぼ唯一の手法でしょう。その時点で相当な量の個人情報が企業に渡っているのですが、これに関しては一個人がどうこうできる問題ではなさそうです。

また、WEBエントリーなどの段階では、エントリーサイトに登録するときに個人情報の取り扱いに関する文章が表示されます。しかし、それに同意しないことにはエントリーができないわけですから、これは我々就活生に選択肢を示していることにはなりません。

現役就活生である僕が企業に要求したいのは、内定を得られた企業以外の企業において、就活終了後の僕に関する一切の個人情報の削除です。入社してすらいない企業に自分の個人情報が残るのは不快ですし、残しておく必要もないはずです。

また、就職活動をする中で、エントリーなどを受け付ける企業の採用ページは数種類の限られた業者に委託運営されていることが分かりました。サイトの形式やドメインが共通だからです。つまり、エントリーしたその時点で志望先の企業以外の団体に情報が集まっているものと考えられます。

25日付けの新聞には、忘れられる権利に関する事項は見送られたものの、個人情報の利用停止請求を可能にする制度が議論されているというニュースが載っていました。就職活動に関してもそういった権利が認められることを願っています。