ふと思ったんだけど

言葉にすれば、何か分かるかもしれない

巨匠とマルガリータ

こんばんは、どこかの誰かです。

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ここでオススメしてもらった本、1冊を読破したのでその感想を書こうと思います。

とはいえ、かなり難しい本でした、「巨匠とマルガリータ」。話の展開がわかりにくいわけではなくて、意味が氾濫していて僕の中で収拾がつかないんですよね。

解説によればブルガーコフの作品は発禁をかなり食らっていたようで、晩年失意のうちに引きこもって書いた作品の一つがこの「巨匠とマルガリータ」だったようです。彼の他の作品はまだ読んでいないのですが、例えばモスクワ三部作と呼ばれる「巨匠とマルガリータ」より前に発表された作品たちは、ソビエトの体制社会の風刺を含む作品であったそうです。そりゃ発禁くらうわ。

巨匠とマルガリータ」に関しても彼ならではの風刺が導入されているのだろうと想像します。しかし、1930年代のソビエトの状態を僕があまり把握できていないせいか、具体的に何が何の風刺だったのかまでは飲み込めませんでした。同時に、風刺よりも大きい存在感を発揮していたものが、それを覆い隠しているように思われたのです。それは、作者本人の、言いたいことを表現できない、誰にも評価されずに終わっていく自分の人生への慄き、救済と報いを求める悲痛な叫びです。

自分の周りにいた、自分の表現を妨害した人たちがこの本に登場する被害者たちだと考えると、つじつまが合うんですよ。それらをぶちのめす超常的な存在が現れて、自分を投影した”巨匠”を救済してくれること、それによって原稿が不滅のものへと昇華されることを願っていたのではないか?

そういう風に読むと、とても哀しい作品であるように思えてきます。そういうのに縋るしかなかったんだなっていう。

現時点で僕は風刺と彼自身の話を分けて考えています(そうしないと感想を形成できない)。彼の風刺のスタイルがどのようなものかを理解しないことには、「巨匠とマルガリータ」において風刺と彼自身の苦悩が交錯することによる相乗効果を判定することはできないと思うのです。

ということで、本作の評価は保留です。モスクワ三部作、読んでみたいですが、本作が難しかったので、しばらく先になると思います。

 

さて、「わが住む村」と「上海游記・江南游記」が届いたので、次はそれに取り掛かります!

 

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