僕たちには理由がない【n/4】
明日決行である。後悔はないだろうか？一体何度目の確認だろう。
ここ二週間、私たちの関係にあったありったけの理由、意義を探し集め、書き溜めた。しかしそれらを何度も読み返してみても、なお私の答えは変わらなかった。もはやどんな理由も私の感覚には影響を及ぼさない。論理とは脆弱なものだ。
しかし一体なぜこんなことになってしまった。こんなはずではなかった。私も彼も、お互いに正しかった。お互い間違ったことは何もしていない。しかしそれは同時に最大の過ちだったのだ。相手に無理に合わせなくていい…その心地よさは、半永久的に一緒になる未来とどこかで干渉する宿命にある。正しい自分たちを追求するための営みが私たちの破滅を招いた。最初からそうだった。宿命的だった。本当はそれをわかっていた。わかっていて、考えないようにしていた。涙が出てこないのは、そういうことなんだと思う。
別れ際に泣くことができるような、そんな関係性を、私はいつか手に入れられるのだろうか。
